【ビックリ】「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」!あべのハルカス美術館で取材してきました!【2度見3度見】

大阪イベント

あべのハルカス美術館で開催中、
「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」を取材させていただきました。
今回の写真は、許可を得た上で撮影させていただいております。

あべのハルカス美術館の「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」を取材してきました!

さて。
僕ね。超絶技巧が大好きなんです。

大好き!超絶技巧

「ん?ナニ?超?何?」って言われそうなんで解説。

「超絶技巧」と書いて「ちょうぜつぎこう」って読みます。
何をもって超絶技巧っていうかみたいな定義ってあるんかな?
無いんじゃないかな?とにかくずば抜けた技術が注ぎ込まれて製作された作品。

って思ったら、ありました。超絶技巧。
ググったら出てきたのがヴィルトゥオーソという言葉。


どうも音楽業界の用語っぽいですね。
まぁようは超人技です。
ちなみに超絶技巧練習曲って曲もあるそうです。
画像検索するとなかなか素敵な音符の大群が見れます。笑
超絶技巧練習曲

象牙製のパイナップルという謎ジャンル

と。今回特には関係ないジャンルの紹介も終わって、
そろそろ今回の紹介。

まず、これをドン!

これ何だと思います?
そう!パイナップルとバナナ。
なのですが。このパイナップルとバナナは実は象牙製!
「え?象牙?」って言ってくれた人は素直な人です。笑

そう。この果物、実は象牙の彫刻なんです。
「えぇ~~~~?パイナップルとバナナを象牙で作る意味ある?」
って思った人!
こら。何てことを言うんですか!僕も完全同意見です。笑

トンデモ作品が大集合の超絶技巧展

パイナップルとバナナなら、本物を置いておけばいいじゃない。
って感じですが、それを彫刻で作っちゃう。
そんな作品がいっぱい集まってるのが、
今回の「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」という展示会。

あべのハルカス美術館で4月14日(日)まで開催中。

超絶技巧といえば安藤緑山

で。さっきのパイナップルですが、
安藤緑山って明治の彫刻家の作品です。
この安藤緑山って人は謎が多いというか、どんな人だったか、ほぼ分かってないらしい。
名前も安藤緑山(あんどうろくざん)だと思われていたのが、
実は安藤緑山(あんどうりょくざん)だったことが判明したとか、
そのレベルで資料の少ない人らしい。

で。この安藤緑山の作品がいっぱい展示されているんですが。
エグい。エグイくらいにリアルで、作品を見るたびに、
「スゴイ!」と同時に「なんで?」って思っちゃう。
ちなみにこれはキュウリ。

こっちはキノコ。

んでもってタケノコ。

ね?「なんで?」じゃないですか?

桜の木で彫った秋刀魚

ほかにも会場には「スゴイ!」と「なんで?」が入り混じる作品がいっぱい。
まずコレ。会場入りして、1つ目の作品。
秋刀魚。食べかけ。

なんですが、この秋刀魚。実は木彫り。
前原冬樹という彫刻家さんの「一刻:皿に秋刀魚」という作品。
焦げた感じ、食べて残った肉、露出した骨の1本1本にいたるまで、
リアルに再現された作品ですが、全部、桜の木で彫ってあります。

で。この秋刀魚。木彫りってだけですでに驚きポイントなんですが、
驚きポイントはまだ続きます。

実は下の白い丸いお皿も作品。
で。さらにそっから、もう1段階スゴいポイント。
秋刀魚部分とお皿部分はくっ付いてます。というか、一度も切り離されていません。
「じゃどうやって彫ったんだ?ま・さ・か…?」ってなるかと思います。
そう。そのまさか。彫刻刀を下から差し入れて、
骨を折らないように慎重に慎重に彫ったそうです。

んー。聞いただけで「イーっ!」ってなる。笑

で。さっきのパイナップルとかは、明治の人だけど、
こっちの前原冬樹は現在の作家さん。

ホントにいろんな作品が見られる超絶技巧展

っていうと、彫刻しかないのか?って感じだけど、
彫刻だけじゃない。
ぶっ飛んだ技術が注がれた作品なら、彫刻や焼き物、絵画などいっぱいある。

ビニール袋とペットボトルが作品

個人的に超絶お気に入りの超絶技巧が、この作品。

何だと思います?

まぁ口をキュッと絞ったビニール袋と潰れたペットボトルですね。
でも。さっきのパイナップルが象牙、さんまが桜の木である以上、
こっちも何やらただのペットボトルではなさそう。

なんとコレ。ガラス。
臼井良平さんという作家さんの作品。
ガラスを使って、ペットボトルや中の水、気泡なんかが表現されています。

と言われてると作品に見えますが、油断するとただのゴミ。

超絶技巧を作る理由って何?

恐ろしいほどの技術を注ぎ込んで、まるで役に立たないものを作るって、
高尚な物を生み出すことへのアンチテーゼ的なヤツなんですかね?
安藤緑山にしてもそうなんですが。

超絶技巧を使って、役に立つ物や高尚な物を作るってより、
何でこんな物を?って物を作ると、
より純粋に「俺はこんだけ技術力はあるんだぜー」的な表現になるってことなんでしょうか?

まぁ直接インタビューしたことないので、全ては想像です。
1回話を聞いてみたい。

超絶技巧展。
すべての作品が凄いので色々書きたいけど、全部書いてたら、
たぶん超絶長文になりそう。

超絶技巧で人気と言えば、大きな海老

なので超絶技巧展の名物を紹介。それがこちらの大型の海老さん。

超絶技巧に作品って、一般的な美術コレクション的な価値のあるのから、
「なんでそんな物を?」的な作品が多い。
なんですが。
作品のモチーフとしてよく登場するのが生物。
その中でもさらにピンポイントで登場するのが、海老。それも大型。

何故か伊勢海老が色んな人の手によって作品化されています。
まぁ何故かって言うか、そりゃね。カッコいいですモン。伊勢海老。
鏡を使った足側が見える展示もナイス。
イガイガトゲトゲで脚部はモキョモキョと複雑。

長い髭もあったりでカッチョイイ。
敢えて言うと龍っぽい。

って思って調べたら、伊勢海老は中国語で龍蝦(ロンシャー)って言うらしい。
ホラ。やっぱ似てる。
って思ってたら、小がついて小龍蝦(ショウロンシャー)だと、
ザリガニになって。で。そのザリガニが美味しそうで。
ってまた話がどうでもいい方向にズレそう。
とりま閑話休題。
伊勢海老、伊勢海老、伊勢じゃない海老のトリプル大型海老ちゃんゾーンが出来てました。

作品が動く自在というジャンル

で。この海老。
表も裏も精巧な作りになっているのは、もちろんなのですが、
なんと可動式!動くそうです。

価値ある作品だし展示品なので「手にもって動かせるぞ」とは流石になりませんが、
動くという情報だけで、すごくないですか?
脳内で持って動かして、バトルさせましょう!ウィーン、バゴーン!

で。この可動式の作品はそれ自体がジャンルになっていて、
自在っていうそうです。
つまり超絶技巧展で、作品を見て「おー」って思って、
さらによくよく作品名を見て、自在の文字があったら、
「うぉー!」って思いましょう。笑
ちなみにここに写ってる昆虫。全部が自在。「うぉー!」

飛んでる鶴の自在

で。自在の中で、さらにスゲー!って思ったのが、
この鶴。

これ。銀製の鶴だそうですが自在らしく、羽とか動くそうです。
もうすでにお腹いっぱいにスゴイのですが、この鶴の作品名は「飛鶴吊香炉」。
香炉?そう。どっかにお香を焚くスペースがあるらしい。でも見当たらない。
と思ってると、なんと背中が開くそうです。
それで背中に香炉スペースがあるらしい。

トランスフォーマーかっ!
しかも作られたのは明治期。もう無茶苦茶。笑

超絶技巧誕生の背景

で。そもそもの話なんですが。
今回紹介した超絶技巧なんですが明治期に誕生した物が多いそうです。
その背景には明治維新があって、超絶技巧と明治維新は密接な関係になってるそうです。
明治維新と言えば、ざっくり言うと、それまでの江戸幕府がなくなって、
明治政府が誕生したことですが、
それまでの職人さんには、なかなか大変だったそうです。

社会の生活が一気に洋式化し、それまでに使われた品物に変わって、
西洋の生活スタイルが入ってきたので、これまでの日本の職人さんは苦労したらしいです。

超絶技巧誕生のウラに廃仏毀釈と廃刀令

そんな、ただでさえ大きな変化が訪れた明治になって、
職人さんに震撼が走ることになった2つの要素が廃仏毀釈と廃刀令。
これまで多くの仕事があった、刀の装飾や仏像の作製がなくなり、
仕事が激減したそうです。
「それではマズい!」ということになって、技術力の伝承と証明みたいな感じで、
いろんなことをやってて、結果として超絶技巧が誕生していったそうです。

明治生まれの超絶技巧だけど現代作家さんもスゴイ

そういった経緯で誕生した超絶技巧。
今回の展示では、特定ジャンルの超絶技巧というくくりがあるわけではなく、
超絶な技巧で誕生した作品なら多ジャンルな作品が展示されています。

さらにタイトルにもあるように、
今回の展示では、明治と現在の作家さんの競演が行われています。

鹿の角から生まれた桜の木

あと。これとかは、鹿の角を削って作った桜の花。

まぁ鹿の角って形が木っぽいですけど、
だからといって、まさか本当に鹿の角で木をつくるとは。

ガラスでできた深海の理想郷

こちらの作品は、ガラス、陶土、磁土でできたアルカディアという作品。

サンゴやイソギンチャク的なオブジェで構成されている作品です。
小さななオブジェが、いっぱいいっぱいいっぱい、くっ付いてます。

何かを作るってのは大変だけどやっぱり楽しい

この作品を見ての感想は「作ってる時はきっと楽しかっただろうなー」って感じ。
何というか、僕もライターやら料理作ったりするから分かるんですけど、
何か物を作ってると楽しくなっちゃう。
で。それが終わりたくないからとかテンション上がっちゃって、
どんどん作っちゃう。
もう本末転倒に食べる人数からの最大量のことまで考えずに作っちゃう。
で。作るだけ作ったトコでピークが来て、食べるのはまぁそこそこ。
まぁ食べるんですけど。って感じとかになるので、
とにかく終わりが来ないような、
どれだけ長く作業できるできるかに挑戦した作品なんじゃないか?という感じ。

で。さっきのアルカディアとか作り終わった時のコメントって、
「やったー!終わった!」じゃなくて、
「あーぁ。終わっちゃった…」って感じだったんじゃないでしょうか?
何というかそこまで行くと、
業と書いて「わざ」っていうより「ごう」っぽくもありますね。業。
作品作りこそが、まさに理想郷的な。
いや。これも完全に予想なんでわかりませんけど。

超絶技巧展観察に単眼鏡

あと。この展覧会でぜひ、借りてみてもらいたいのが単眼鏡。

双眼鏡じゃなくて、レンズが1個なので単眼鏡。
単眼鏡を使うと、それぞれの作品の細かいとこまで鑑賞というか観察できます。
オススメは七宝焼き。
なんというか、線の一本一本が迷路みたいになってて、
ヘタをすると日がな一日、七宝焼きの迷路の中をさ迷えると思います。笑
あと地味に後ろからも見えるっていうポイントも便利だったりします。

というか、美術鑑賞に単眼鏡って便利なんだろうなー。って感じました。
さっきAmazonで見たら、結構安いし、コンパクトだし、
美術展とかによく行く人はアリかも知れません。

ま・と・め!

このように「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」では、
とにかく色んな作品が置いてある。
なので割と誰が行っても、コレ!っていう推し作品が1つや2つは見つかるハズ。
けっこう尖った美術展に思われがちですが、行ってみると意外と一般向けだったりします。

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